第2話 食パン

先週から少しまとまった休みを貰った。今はハワイに向かう飛行機に向かう電車に乗っている。

どうして休みを取ったかって、体力的な問題も勿論そうなんだけど、一番はとにかく休みが必要だと思っていたから。なぜかって言われるとたくさんあるけど、間が欲しかった。監督が「タイムアウト!」って言うような感覚。

 

社会人としての自分の姿には、①今の自分、②超えるべき自分、③理想の自分、の3種類があると思っている。この業界ではよく「As-Is」「Can-Be」「To-Be」なんていう言い方をする。Can-Beは上司から求められる自分なんて解釈もできる。

これが入社してから今までずっと、良くない感じになっていた。上司の期待値は60点、けど目標は80点、実際は40点という感じ。その距離に面食らって、焦って理想ばかり高くなり、更に…という悪循環にはまっていた。

そんな状況なのに最近身分が上がり、部下が出来た。4月からは後輩も入ってくる。それを考えると良いタイミングで課題が分かったので、棚卸しの意味も込めて、とりあえず休んでゆっくり考えようと思ったわけだ。

まあ、要は自信があるくせに怖がっていたんだ。矛盾しているようだけど、この結論が自分の中では一番しっくりきた。

 

近所に食パン専門店が出来た。端的に言ってもの凄く美味しい。焼かなくても美味しいなんて初めてだ。

毎週通ってるもんだから店主のお母さんと仲良くなって「いつもありがとうね〜!」と言ってもらえるんだが、俺は何と言えばいいのか未だに分からない。食べる前からご馳走様もなんだか違和感。いつもありがとうはお母さんとかぶるからおかしい。どうやって感謝の気持ちを伝えようか。日本語って難しい。

今日は「また来ます!」と言ってみた。割とうまく言えた気がするんだけど、だめ?